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2020年12月9日

カスタマーサクセスとは?SaaSビジネス成功に必要な理由と成功のポイントを解説

近年、モノを保有するモノ消費から、モノやサービスが持つ価値を利用するコト消費へと、消費行動が変化しています。それに伴い多くの企業では、必要なサービスを定額制で提供するサブスクリプション型のサービスへ転換しつつあります。これはサービスを提供する企業だけではなく、自動車やファッション業界など、従来はモノを提供してきた企業にまで浸透しつつあります。一方で、製造業を中心としてきた日本では、顧客の利用率の維持や増加する顧客の対応に関するノウハウが少なく、苦労する企業も少なくありません。

この記事では、そのようなサブスクリプション型のサービスの利益維持・増加に欠かせないカスタマーサクセスの概要とメリット、そして成功のポイントについて解説します。

1. カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートではなぜ不十分なのか?

カスタマーサクセスとは、顧客と継続的に良好な関係を築き、リテンション率(継続利用率)を維持・向上させる活動のことを指します。カスタマーサクセスへの取り組みは日本ではまだ始まったばかりですが、日本に比べてSaaSビジネスが早期に台頭した海外では、カスタマーサクセス をSaaSビジネスの成功に必須の活動として位置づけています。初めてカスタマーサクセスに取り組む企業にとっては、顧客と良好な関係を築くという点から、カスタマーサポートと混同されるケースがよくあります。カスタマーサクセスとカスタマーサポートはどちらも重要な活動ですが、その役割や働きかけの方法は大きく異なります。

カスタマーサポートとは

カスタマーサポートとは、主にコールセンターなどで顧客からの問い合わせに対応する活動のことを指します。顧客からのアクションを起点とし、顧客の持つ疑問点や問題点に対処する役割を持ちます。
顧客の満足度を維持するために、顧客からの問い合わせに過不足なく対応することが求められます。そして製品やサービスの内容、提供する情報の改善などを通じて、問い合わせ件数を減少させることを目的としています。

カスタマーサクセスとは

一方、カスタマーサクセスは顧客からの問い合わせの有無にかかわらず、企業側から顧客に対して能動的なアクションを起こします。そして顧客の課題解決やビジネスの成功に貢献することで、サービスの継続利用に繋げる活動を行います。
顧客のビジネスや目的を深く理解した上で、顧客の目的達成のために自社サービスが提供できる価値とは何かを定義し、必要なサポートを能動的に提供します。たとえば、必要とされるサービスとその機能の紹介や利用方法を、利用開始時にはもちろんのこと、サービス開始後も顧客が必要とするタイミングで提案します。契約してもらうまでの関係性ではなく、契約・サービス利用開始後も定常的に顧客側の利用状況をデータやヒアリングで確認し、顧客の成功に伴走する姿勢を持つ、ということが重要なポイントになります。サービスの継続利用を通じて、顧客側でも成功を収められるようにすることが最も大きな目的です。

なぜカスタマーサポートでは不十分なのか?

カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせというアクションを起点にしています。しかし、そのように顧客が自らの時間と手間を割いてまで問題の解決を行う場合は、その問題がよほど致命的であるか、日々活用している中で大きな課題を感じているかのいずれかであることが多いでしょう。そこまで大きな問題を抱えていない顧客の多くは、解約の前に自ら声をあげません。したがって、企業側から能動的な働きかけなければ、製品・サービスの問題点に気づくことができず、解約率を大きく引き下げることが困難なのです。

また、顧客の成功を目的とするカスタマーサクセスでは、顧客のビジネスやサービスの利用目的を深く理解しておく必要があります。顧客が何を目指し、どのような業務プロセスに組み込んで、どう使うかということを利用開始時に把握していないと、必要なサポートや提案を適切に行うことができないからです。

また、利用開始後にもデータなどを確認することで、現在の利用状況を常に理解するよう努めなければなりません。多くのカスタマーサポート部隊では、顧客側からの問い合わせへの対応で手一杯であり、顧客の利用状況を確認した上で、必要なサポートや提案を検討するまでに踏みこめていません。そのため、カスタマーサクセスの実施には、カスタマーサポートとは異なる機能が必要です。

2. カスタマーサクセスの重要性が増加している背景

ここでは、近年カスタマーサクセスの重要性が増加している背景や理由を、もう少し掘り下げて解説します。

●コモディティ化により、CXの重要性が増加

市場には多くのモノやサービスがあふれ、多くの消費者は自分に必要なモノを苦労することなくほとんど揃えています。加えて、これまでとは異なる機能を持つ画期的な新製品は少なく、多くのモノが消費者から見ると類似品に見えています。

そこで、製品やサービス自体が持つ価値そのものではなく、その製品やサービスを利用することによって得られる体験(CX=カスタマーエクスペリエンス)の重要性が増加しています。このようなCXの重要性は、BtoC向けの製品・サービスだけにとどまらず、BtoB向けの製品・サービスにも広がっています。

●サブスクリプション型サービスの増加

モノ自体が持つ価値が低下するのに伴い、モノを所有することではなく、自分が必要な時に必要な分だけ利用するという消費行動へと変化しています。これは企業においても同様です。たとえば調査結果の分析など一定の期間にだけ発生する業務に対して、買い切り型のソフトウェアを利用したいと感じる企業は減少しています。

サブスクリプション型のサービスは、そのようなニーズに合致し、需要性が高まっています。しかし、消費者の導入障壁を下げている安い月額の利用料は、提供する企業側にとっては一ヵ月あたりの売上・利益が小さいことも意味します。したがって、いかに顧客の解約率を低下させ、継続的に利用してもらうことで利益を積み上げていくかが重要になってきます。

●LTVを最大化するという考え方がより重要視されてきている

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、ある顧客が企業に対して契約の開始から終了までの生涯にわたってもたらす収益のことを指します。企業は新規の顧客を得るためにマーケティング面、営業面でさまざまなリソースを投入して活動を行います。カスタマーサクセスではそのように大きな労力をかけて獲得した顧客との関係を一度だけの契約に留めず、継続的に良好な関係を築いて顧客ロイヤルティを向上させ、LTVの最大化を目指すという考え方がより重要視されています。

この背景にはサブスクリプションビジネスの台頭が大きく影響していますが、それだけではありません。競争が激化し、多くの企業が高効率化を目指すなかで、顧客ロイヤルティを高めることが収益の改善に貢献することは、サービスビジネス以外でも認識されてきています。BtoBビジネスにおいて、アップセルやクロスセルを成功させるためには、顧客との良好な関係性が鍵となります。

●口コミの波及により、購入後の満足度の重要度が増加

インターネットやSNSの普及により、消費者が目にする情報は以前と比較すると各段に多くなりました。その情報の波の中で、実際の利用者のレビューや生の声の重要性が高くなりつつあります。企業においても、似たようなサービスが複数存在する中で、多くの情報をイチから収集するよりは、既に他部門や他企業が利用しており、満足度の高いサービスを中心として比較検討する方が効率的です。したがって、導入に至った自社の既存顧客が、その後も満足して利用し続けてくれるかどうかは非常に重要なポイントです。

3. カスタマーサクセスの機能・役割

上記のような状況の中で、カスタマーサクセスが担う機能や役割を解説します。

●顧客との長期的な関係を構築し、解約率を減少させるために、能動的な働きを行う

カスタマーサクセスが達成すべき一番の目標は、顧客の継続利用を促し、解約率を低下させることです。顧客が解約を決定する前に自社へ問い合わせをしてくれた場合は、その課題に対処することで解約を未然に防ぐことができますが、そのようなケースは多くありません。
そこで、顧客の解約に至る兆候を企業側が能動的に察知し、迅速に対応をする必要があります。自社サービスの購入・利用プロセスの中で解約率の高いステージがどこにあるかを把握し、予め対策することも重要です。
カスタマーサクセスはこのような役割を持つため、継続利用率や解約率が活動の指標となります。また、導入初期に顧客企業内でサービスの活用が浸透するかどうかは、一般的に継続利用率と相関が高いとされています。このような定着率(オンボーディング完了率)も活動の重要な指標となります。

なお、顧客のサービス導入目的や業務プロセスを理解するためにも、導入初期に行われる活用定着までの活動(オンボーディング)は非常に重要です。基本的には、契約開始までに営業部隊が情報を把握しているはずですが、改めて顧客との間で導入目的の認識を合わせ、顧客が必要とする機能や利用方法、活用定着までのステップを明確化します。その上で、活用定着まで能動的にサポートを行います。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、活動の目的が異なるため、このように確認すべき指標も異なります。カスタマーサポートでは、通常、顧客からの問い合わせに対していかに迅速に課題解決に対応できたか(問い合わせへの返答時間、対応回数)が活動の指標となり、売上や利益に直結する指標を活動指標としては持ちません。カスタマーサクセスの一般的なKPI指標について、詳しくは以下の記事も参照してみてください。

●顧客の課題を把握・理解し、伴走する姿勢を持つこと

顧客と良好な関係を築き、継続利用に結びつけるためには、顧客の課題と目的を理解した上で、顧客がその目的を達成するために自社のサービスで出来ることを提案し、定常的な活用に繋がるように伴走する姿勢が求められます。顧客企業の重要な業務プロセスの中に、自社のサービスを取り込んでもらうことができれば、顧客にとって解約や乗り換えの手間(スイッチングコスト)が生まれ、解約リスクを低減させることに繋がります。
なお、顧客理解のためにカスタマーサクセスの担当部門は、営業やカスタマーサポート、マーケティングなどの多くの部門と情報を共有し、連携することが必要不可欠です。

●アップセル・クロスセルのチャンスを掴み、利益の拡大に繋げる

より高価格のサービスを契約してもらうアップセルや、自社のその他のサービスとの合わせ買いをしてもらうクロスセルにより、LTVの最大化を目指すことは、カスタマーサクセスの担う重要な機能の一つです。アップセルやクロスセルの成功には、顧客への理解と同時に、顧客との良好な関係性が必要不可欠です。顧客とのコミュニケーションだけではなく、データからも顧客の現在の利用状況を把握し、顧客側の業務効率化や目的の達成のために、アップセルやクロスセルのチャンスがないかを探り、提案を行います。
この点においては営業の活動と混同されることがありますが、営業は新規契約・新規受注を増加させる役割を強く持ちます。そのため営業ではそれらを目標に設定していることが多く、その点から新規顧客の獲得に比べアップセルやクロスセルは優先順位が下がることがほとんどでしょう。

●顧客のニーズを拾い、製品・サービスの改善に繋げること

顧客を深く理解した上で能動的に働きかけるカスタマーサクセスは、顧客とのコミュニケーションを通して顧客のニーズを把握しやすいため、製品・サービスの改善提案につなげることができます。需要の高い機能やサービスの追加、既存機能やサービスの改善は、該当する顧客の満足度を高めます。また、他の既存顧客や新規顧客のニーズに合致させることができれば、新規導入率や継続利用率の向上にも繋がります。

また、顧客の継続利用率向上のためには、サービス自体の操作や利用のしやすさだけではなく、契約から利用のすべてを含んだ体験全体(CX=Customer Experience)の向上も必要です。カスタマーサクセスによる能動的なサポートの提供は、サービスのCX向上に大きく貢献します。近年、サービスや商品そのものにおける差別化は極めて難しくなってきています。カスタマーサクセスの充実によりCXを向上させることができれば、他社との差別化に繋がるはずです。

4. カスタマーサクセスの課題と成功のポイント

カスタマーサクセスの重要性を理解し、取り組みを始めた企業でも、活動がなかなか成果に結びつかないケースは少なくありません。ここでは、カスタマーサクセスの課題と成功のためのポイントを解説します。

カスタマーサクセスの課題

●社内にノウハウが少ない

カスタマーサクセスは、日本では近年取り入れられはじめたものであり、ノウハウを持っていない企業も多いでしょう。しかし、海外ではカスタマーサクセスへの取り組みは日本よりも進んでおり、同時にサブスクリプション型ビジネスの成功を大きく左右する重要な要素であることも示されています。カスタマーサクセスには活動の成果を測る指標などが存在し、成果につなげる定石があります。そのため、そのノウハウを理解し、自社の施策に取り入れることができているかどうかが成果に直結します。

また、特に売り切り型の製造業が中心となった日本では、その機能や役割が既存のカスタマーサポートや営業活動と混同されるケースも少なくありません。サービスビジネスにおいては、特にスピードが重要です。既存の機能や役割で代替し、カスタマーサクセスが軌道に乗らないという失敗事例は既に多く存在しています。やみくもに失敗を重ねるのではなく、先駆者たちの事例を参考に、ポイントを押さえて効率的に取り組みを行うことが重要です。

●対応すべき顧客数が膨大、リソースが不足

カスタマーサクセスでは、顧客を理解し、伴走する姿勢が重要です。しかし対応すべき顧客の数が増加すれば、それだけ時間が必要になります。多くの企業では、まだカスタマーサクセスに十分な人材を投入できていません。また、たとえ投入できたとしても、すべての顧客に対して一律に時間をかければ、業務量が膨大になってしまいます。

●カスタマーサポートなどで用いている既存のKPIを利用してしまい、利益改善へ結びつかない

顧客満足度の向上は、サービスの継続利用のために重要です。一方で、カスタマーサクセスの目的は解約率を低減し、利益を増加させることにあります。そのため、活動の成果として顧客満足度のみ、あるいは売上のみ確認するのでは不十分です。

特に、カスタマーサクセスはカスタマーサポートと活動を混同されがちです。カスタマーサポートとカスタマーサクセスとの指標の面での大きな違いは、利益に直結する指標を持つかどうかです。顧客からの問い合わせに迅速に対応し、課題を解決することを目指すカスタマーサポートは、基本的に直接的な利益への貢献を目指す組織ではありません。一方でカスタマーサクセスでは、顧客との良好な関係構築により利益の維持拡大に責任を持ちます。そこで、チャーンレートと呼ばれる解約率自体を確認することが最も重要です。また、チャーンレートには複数種類が存在するため、自社に必要なものを見極め、毎月定常的に確認する必要があります。

●成果の可視化が難しく、社内周知ができない場合が多い

カスタマーサクセスがサブスクリプション型ビジネスの成功に重要であることは既に述べた通りですが、その一方でカスタマーサクセスは成果の可視化が難しいという課題があります。例えば、サービスの契約継続率が上がったからといって、カスタマーサクセスが直接的な要因であることを示しづらい側面があります。そのため、活動の重要性を社内に周知させることができないケースが少なくありません。そこで、KGIを達成するために必要なKPI指標を複数置き、活動が利益にどのように影響するのかを可視化できるようにする必要があります。

●長期にわたる取り組みになるため、経営層がカスタマーサクセスの重要性を理解している必要がある

カスタマーサクセスは顧客との良好な関係を長期的に構築する活動です。顧客のサービス導入から始まり、長期にわたる取り組みとなるため、活動の結果が利益に反映されてくるまでにも一定の期間を要します。また、仕組みを構築して活動を軌道に乗せるのにも時間がかかります。そのため、経営層がカスタマーサクセスの重要性と、長期的な活動になり軌道に乗るまでに時間を要することの両方を理解していることが成功の前提です。

カスタマーサクセスの成功のポイント

続いて、成功のポイントを解説します。

●専任の担当者を割り当てる

自社でカスタマーサクセスに初めて取り組む場合、業務内容やプロセスの決定などの仕組みづくりが重要です。既存の業務と兼任することも可能ですが、他の業務に追われてしまって対応がおざなりになったり、業務の境界線があいまいになり、カスタマーサクセスの本来の目的に合致しないことが起こることが多々あります。そのため、役割と目的を明確化し、専門のチームや担当者を割り当てることが重要です。

●PDCAを念頭に置き、軌道修正を行う

カスタマーサクセスには成功の定石が存在しますが、提供するサービスの特徴や抱える課題などは企業ごとに異なります。そのため、最初からプロセスを確立するよりは、まずはノウハウに従って始め、自社にあった取り組みを発見できるまでは試行錯誤を行うことが重要です。
また、取り組みが進めば、抱える課題や重点を置くべきポイントは自然と変化します。常にPDCAを回し、適宜軌道修正を行うと良いでしょう。

●顧客に関する情報を一元管理し、顧客の理解に努める

カスタマーサクセスでは、顧客を深く理解することが重要です。そのため、顧客と接点を持つ営業やカスタマーサポートなどの部門と連携し、各々の部門が持つ顧客に関する情報を一元管理し、把握するための工夫が必要です。

●対応の優先順位づけを行う

カスタマーサクセスは、顧客と伴走する姿勢を持つことが重要です。しかし一方で、すべての顧客に対して一律の対応を行うことは、顧客数が増加するほど難しくなります。そこで、利益への貢献度が高い顧客に対しては、担当者を訪問させるなどの丁寧な対応を行い、そうでない顧客に対しては自己解決を促すために動画などのツールを提供するなど優先順位をつけて、合理的な方法によってより多くの顧客に対応できるよう仕組み化することが重要です。
顧客への対応の優先順位づけについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参照してみてください。

●アップセル・クロスセルを意識する

解約率の低減は非常に重要ですが、同時に既存顧客のアップセルやクロスセルも意識しましょう。継続利用している優良な顧客がより金額の高いプランに乗り換えたり、オプションのサービスを追加契約するアップセルや、異なるサービスも追加契約するクロスセルを行うことが出来れば、解約による損失を補填することが可能です。
また、これらのアップセルやクロスセルは一時的な利益増加ではなく、継続利用により収益を大きく増加させ、長期的に良好な成長を続けることに繋がります。
いずれの場合も、顧客の課題を理解し、必要とされるサービスを提案することによって実現します。

●カスタマーサクセスツールを活用する

カスタマーサクセスツールは、初めてカスタマーサクセスに取り組む企業に特におすすめです。カスタマーサクセスツールでは、ログイン率やある機能の利用率の低下など解約の兆候となる行動を察知した際に、アラートを出して担当者に対応を促します。また、顧客とのコミュニケーションの履歴を含む顧客に関する情報を一元管理する機能が備わっています。そして、解約率などの必要なデータ指標を常に把握することのできるダッシュボード機能もあり、活動の成果の確認やデータの活用がしやすくなっています。
このような基本機能を利用して対応を行うだけで、業務が効率化され、同時に成果を出しやすくなります。どこから取り組んだらよいかわからない企業にこそ、導入の検討をおすすめします。

●データを活用する、適切な指標を常に確認できるようにする

解約率を減少させるためには、データの活用が非常に重要です。データを読み解くことで、顧客のどのような行動が解約率と利用率の増減に影響しているかが分かります。また、解約率が高い場合でも、その中で特に重要な課題は企業によって異なります。導入時の定着率が低いのか、自社内での対応にばらつきや不足が生じているのか、そもそも製品やサービス自体に不満点があるのか、それぞれによって取るべき対応は異なります。常にデータを参照し、取り組むべき課題を明確化した上でその成果を確認しましょう。データの蓄積と参照の仕組みが整っていない場合には、前述のカスタマーサクセスツールの利用がおすすめです。

●オンボーディング完了後も継続的にサポートする

オンボーディング完了後も、必要なタイミングで継続的に顧客に活用のサポートする活動は活用定着のために重要なプロセスですが、実際に顧客が利用を進めていく中で、サービスを使って達成したい目的や用途が変わる可能性があります。

また、時間が経過するにつれて、利用メンバーが変更になったり、利用頻度が落ちたりすることも考えられます。そこで、オンボーディングが完了した後も、何か新しい課題が生じていないかをデータや顧客とのコミュニケーションによって把握し、必要なタイミングでサポートを継続的に行うことが重要です。

5. まとめ

この記事では、カスタマーサクセスに初めて取り組む企業や、なかなか成果に結びつかない企業に向けて、カスタマーサクセスと既存のカスタマーサポートとの役割の違いや、多くの企業で抱えるカスタマーサクセスの課題と成功のポイントについて解説しました。
近年の消費者行動の変化やCXの重要性の増加などにより、多くの企業でサービスを継続的に提供することがビジネス成功の要になりつつあります。カスタマーサクセスはそのような企業にとって、非常に重要な役割を持ちます。日本ではまだ浸透が始まったばかりなので、他社に先立ちいち早く成功させることができれば、ビジネスの成長に大きく貢献するでしょう。この記事を参考に、ぜひカスタマーサクセスの取り組みを始めてみてください。

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