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2020年08月3日

カスタマーサクセスを成功に導くために設定すべきKPIとは

カスタマーサクセスは、サブスクリプション型のビジネスモデルの台頭に伴い、近年注目を集めている活動です。サブスクリプション型のビジネスでは、売り切り型のビジネスモデルと異なり、顧客にサービスを中長期的に継続して利用してもらうことで、企業の利益を最大化していきます。よって、顧客が目指していることを深く知り、KPIを設定して計測しながら顧客の成功を支援していくことが大切です。
この記事では、カスタマーサクセスにおけるKPIの重要性やKPIの事例、KPIを設定する際の注意点を紹介します。

1. カスタマーサクセスにおけるKPIの重要性

まず、カスタマーサクセスにおけるKPIの重要性を解説します。

KPIの重要性

KPIとは、「Key Performance Indicator(重要業績指標)」の略で、主にビジネスの目標達成度合いや健全性を定量的に把握することを目的として使われる指標です。
KPIを定期的・定量的に可視化し分析することで、ビジネスの追加投資や事業継続の判断、改善に向けた施策の立案といった次のアクションへつなげられることから、事業活動において非常に重要性の高い手法と言えるでしょう。

カスタマーサクセスにおけるKPI

カスタマーサクセスにおいては、「顧客への貢献度の可視化」、「顧客へのアクションの実行判断」、「顧客の成功をより支援するための提案(顧客に追加投資を促す)」、「顧客に対する支援内容の改善判断」などを目的にKPIを設定します。
特に、顧客から問い合わせやサービス解約といったアクションが発生する前に、能動的な支援を行うカスタマーサクセスでは、その実行判断にKPIの活用が不可欠です。

カスタマーサクセスツールを活用してKPIを測定する

カスタマーサクセス活動の品質を高めるには、スピーディかつ定量的・定期的にKPIを把握し、支援が必要な顧客を見つけ対応することが重要です。KPIは、迅速かつ正確に把握し、意思決定につなげることが重要です。情報の可視化には、BIツールやカスタマーサクセス統合管理ツールをうまく活用し、大量のデータからタイムリーに状況を把握する手法がおすすめです。カスタマーサクセス部門は社内で最もデータを活用する部門となることを目指してもいいかもしれません。

2. カスタマーサクセスに用いるKPIの具体例

カスタマーサクセスには、独自のKPIが数多くあります。
ここでは、カスタマーサクセスで設定されることの多い代表的なKPIを詳しく解説します。

LTV(顧客生涯価値)

LTVとは、Life Time Valueの略で、顧客から生涯(長期)にわたって得られる売上や利益のことです。つまりLTVは、契約した1人・1社の顧客から契約が終わるまでの間に得られる、売上もしくは利益すべての合計額のことを指します。サブスクリプションモデルのサービスでは、このLTVをどれだけ最大化できるかが事業成功の鍵を握ります。

LTVの計算式は、以下のとおりです。

計算式

LTV = 購買単価 × 購買頻度 × 契約継続期間

また、B2BのSaaSサービスのカスタマーサクセスにおいては、以下の計算式でLTVを数値化している企業もあります。取引期間を通じて企業にもたらす利益として、LTVを算出します。LTVが新規顧客の獲得コストと既存顧客の維持コストの合計を上回ると、収益化していると判断できます。

計算式

LTV = MRR(一顧客あたりの平均月間経常収益)× 売上総利益率 ÷ 顧客月次チャーンレート

継続率

継続率は、顧客がサービスを継続利用している比率を表し、サービスの売上安定度に関わる指標です。継続率から、新規加入者獲得による売上・利益増加の見通しを立てられるため、プロモーションの効果予測にも利用できます。

解約率(チャーンレート)

解約率は、言葉のとおりサービスが解約される比率を指します。どのサブスクリプションモデルのサービスにおいても、事業の中長期的な利益安定性を左右する非常に重要な指標です。解約率には、顧客数をベースとしたカスタマーチャーンと、収益をベースとしたレベニューチャーンの2種類があります。事業やサービスの目標値、特性に合わせて使い分けます。

アクティブユーザー数

サービス登録ユーザーのうち、一定期間内に1回以上サービスを利用したユーザー数を数値化したものがアクティブユーザー数です。アクティブユーザー数は、ゲームなどのエンタメ系サービスにおいて、事業健全性を判断する1つの目安です。なぜなら、アクティブユーザー数が減少していくことは、ゲームの評価が低く離脱に至っていると判断できるからです。アクティブユーザー数はさらに、1ヵ月の期間で換算する「MAU」や1日のアクティブ数を表す「DAU」などがあります。より短い期間で計測することで、素早い改善施策の立案と実行を目指せます。

アップセル率/クロスセル率

アップセル・クロスセルは、アプローチ方法が異なるものの、いずれも顧客単価の向上を狙う手法です。アップセルは、ベーシックプランからプレミアムプランへのアップグレードなど、より高単価な商材やサービスを購入・契約してもらうことを指します。
クロスセルは、商品レコメンドのように別の関連商材を提案することで、さらなる購入を促す手法です。

オンボーディング完了率

オンボーディング完了率とは、顧客のサービス定着度合いを指します。提供するサービスによってオンボーディングの定義は異なります。例えば、顧客が初期設定を終え、サービスの利用が始まり、導入当初の課題解決を1つ達成したタイミングなど、継続利用の流れにのったと判断できるタイミングで定義しておきます。また、オンボーディングが完了しない顧客は解約リスクが高まるため、顧客の意欲が高いうちに短期間でオンボーディングを完了してもらうことが重要です。

活用度

活用度は、ログイン数や重要機能の利用回数、レポート作成・ダウンロード数といった指標から、顧客のサービス活用度合いを数値化したものです。
活用度から顧客をいくつかのセグメントに分け、セグメントごとにアクション内容を変えたり、支援する優先順位を判断したりします。

顧客満足度(NPS)

顧客満足度(NPS)とは、Net Promoter Scoreの略で、顧客ロイヤルティを数値化した指標です。NPSを計測することで、顧客サービスへの信頼や好感度を数値化でき、その改善施策につなげられます。

このように、カスタマーサクセスで用いられているKPIはさまざまなものがあります。
いずれの指標も非常に重要度の高いものですが、いきなりすべてのKPIを設定することは現場の混乱や、業務の煩雑化を招くおそれがあることから現実的ではありません。まずは、オンボーディング完了率や活用度、解約率といったKPIの計測からはじめ、組織が成長するに従ってさらに計測するKPIを増やしていくと良いでしょう。

3. カスタマーサクセスのKPIを設定するときの注意点

最後に、カスタマーサクセス のKPIを設定するときに忘れてはならない2つの注意点を紹介します。

KGIに沿ったKPIを設定する

カスタマーサクセスのKPIを設定するときは、必ずKGIに沿ったものになっているかに注意しましょう。カスタマーサクセスの最終目標は、KPIの達成ではなくKGIの達成です。
よって、KGIを頂点とした(KGIは複数あっても良い)正しいKPIツリーを構成することが大切です。

KPIを適宜見直す

カスタマーサクセスのKPI設定時の注意点として、設定されたKPIの適正度合いを定期的に見直すことも大切です。顧客の属性や業界や経営方針の変更に伴いKPIを再設定するなど、KGIを達成するためにKPIを適宜見直しましょう。

4. まとめ

この記事では、カスタマーサクセスにおけるKPIの重要性や代表的なKPIを解説しました。
多くの企業でカスタマーサクセスへの取り組みがはじまっていますが、闇雲に活動をはじめても、顧客の状況を可視化することができず、貢献度などの成果を把握することが難しいでしょう。そこで重要となるのが、適切なKPIの設定とKPIを可視化する仕組みです。本稿で紹介したKPIをベースに、カスタサクセス統合管理ツールなどを活用して効率的に数値化し、活動に活かすと良いでしょう。

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