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2021年04月22日

アップセルとは?カスタマーサクセス活動で得られるLTV最大化のポイント

SaaSなどのサブスクリプション型ビジネスの成長要因として「LTV(顧客生涯価値)の最大化」があります。LTVを最大化させるには、サービスの継続的な利用による契約期間の延長だけでなく、アップセルによる顧客単価の向上も目指すと良いでしょう。では、アップセルを成功させるために何が必要なのでしょうか。そのヒントが「カスタマーサクセス」にあります。
ここでは、LTV増大とアップセルに寄与するカスタマーサクセスの考え方や、ICTツールを紹介します。

1. アップセルとは

アップセルは、自社サービスや製品を購入したことのある顧客に対し、さらなる購入を促す営業手法です。また、顧客の「数」ではなく「質(単価)」を上げることに注力した営業手法とも言えるでしょう。一般的には、同種かつ上位のサービス・製品の購入を提案することが多いかもしれません。また、サブスクリプション型ビジネスでは「無料プラン ⇒ 有料プラン ⇒ オプション契約」という具合に、徐々に契約金額を増やしていく手法も使われています。

近年、特にサブスクリプション型ビジネスにおいて、アップセルの重要性が謳われるようになりました。そこで、アップセルが重要視される背景を整理してみたいと思います。

なぜアップセルが重要なのか

アップセルが重要視される理由としては、次の2点が考えられます。

●効率よく売上を伸ばせる

アップセルの対象となるのは、一定以上の取引実績を持つ顧客です。つまり、すでにある程度の信頼関係が築かれており、新規顧客開拓のような労力は必要ありません。こうした既存顧客にアプローチすることで、効率よく売上を伸ばす見込みが立てやすいのです。

●顧客満足度が高まる

アップセルの効果は、単に売上が伸びるだけにとどまりません。アップセルが成功すれば、自社製品・サービスをより深く広く使ってもらえるようになります。さらに顧客から改善要望を引き出すことができれば、より深いニーズの把握につながるでしょう。的確にニーズを捉えた商品は、顧客満足度を向上させていきます。

2. アップセルを成功させるポイント

アップセルを成功させるためには、「顧客層の特定」「分類」「顧客行動の把握」という3つの施策が必要になるでしょう。

ロイヤルティの高い顧客層の特定

アップセルを成功させるための第一歩は、「顧客を分類して優先順位をつける」ことです。アップセルは「実績」がある顧客に対する営業ですから、まずは優良なアップセル対象を特定する必要があります。具体的には、サービスの「利用頻度」「利用額」で顧客を抽出し過去の取引実績に応じて順位付けを行う、といった方法がおすすめです。

顧客の分類

大まかな顧客層が特定できたあとは、さらに具体的な顧客分類を進めます。ここでは、カスタマーサクセスの考え方を採用した分類がおすすめです。カスタマーサクセスは、「顧客の成功」をゴールに据え、そこに至るまでの戦略・活動などを指す概念です。

カスタマーサクセスの考え方を取り入れると「どの顧客へ、いつ、どのようにアプローチすべきか」が明確になっていきます。こうして生み出された戦略を駆使することで、アップセルの成功確率が向上していきます。そこで、まずカスタマーサクセスにおける顧客分類を理解しておきましょう。

●LTVを軸にした3層の顧客分類

カスタマーサクセスでは、LTVを軸にして顧客を3つの層に分類します。

ハイタッチ層

3層のなかで最上位に位置し、LTVが大きく優先度も高い層です。ハイタッチ層に対しては、今後の計画や課題のヒアリング、顧客の成功につながる情報提供や支援など、顧客ごとに最適化した丁寧なアプローチが推奨されます。

ロータッチ層

3層の中で中間に位置し、ハイタッチ層の次に優先度が高い層です。この層へのアプローチはハイタッチ層ほど日常的である必要はないでしょう。ただし、顧客が必要とするタイミングではしっかりと個別のフォローを実行する必要があります。タイミングが重要な顧客層と言えます。

テックタッチ層

3層の中で最下位に位置し、LTV・優先度とも低い層です。アップセルに至るまでには、ある程度の時間が必要な層とも言えます。この層へのアプローチは「効率よく、広く浅く」が基本です。カスタマーサクセスツールなどを駆使し、定期的かつ効率よくフォローを続けていく必要があります。

ツール活用で「迅速かつ的確に知り」、行動につなげる

顧客層を分類したあとは、各層に合ったアプローチを実行していきます。この時、カスタマーサクセスツールが重要な役割を担います。各層へ的確なアプローチを届けるには、顧客行動やコミュニケーションの履歴から、顧客の動向を素早く的確に知っておく必要があります。
しかし、複数の顧客接点(チャネル)から顧客行動を把握するには、相応の労力が必要です。情報収集と把握に尽力するあまり、営業やマーケティングといったコア業務に影響が出ては本末転倒です。コア業務に割くリソースを減らすことなく、顧客動向を迅速に知るためには、ツールを活用して「顧客データの管理・集約」「データ可視化」を進める必要があります。

3. アップセルを目指すために必要なツール

カスタマーサクセスの考え方をアップセルにつなげるためには、次のようなツールの活用がおすすめです。

CRM

顧客にまつわる情報を網羅的かつ一元的に管理するツールです。顧客属性や顧客が抱える課題に加え、営業・商談の状況なども管理できるようになります。

カスタマーサクセスツール

カスタマーサクセス活動を効率化するツールです。一般的には、次のような機能を持つことが多いでしょう。

  • CDP(基幹システムのデータや顧客とのコミュニケーションデータ、各種ログなどの統合)
  • データ分析機能
  • 顧客の状態変化を知らせるアラート通知機能
  • チーム内でアップセルのための課題とタスクを管理する機能
  • コミュニケーション履歴管理機能
  • アップセルの提案可否を判断するための指標設定、管理機能

この中で特に注目すべきは「アップセルの提案可否を判断するための指標設定、管理機能」です。この機能では、アップセル提案を行う前の顧客状況の判断に使う指標を自由に設定し、指標ごとに閾値を設けることで、アップセル提案のタイミングを推測することができます。指標はツール側からアラート通知するため、営業担当者のリソースを奪うことはありません。

実際のアップセルでは、ビジネスモデルや顧客の性質によって監視すべき指標が変わってきます。そのため、複数の指標を管理しながら、アップセルの兆候を知る仕組みが望ましいでしょう。

また、カスタマーサクセスツールは、CRMと連携することで分析精度を高めることも可能です。CRMが持つ顧客データを存分に活用できるよう、CRM連携機能を持ったツールを選定していきましょう。

NPS(ネットプロモーターズスコア)

NPSは、顧客ロイヤルティを計測するための指標やツールを指します。顧客ロイヤルティは「愛着・信頼」と言い換えることができます。NPSを活用することで、これまで可視化が難しいとされてきた顧客ロイヤルティを計測し、定量的な指標として表すことができます。NSPのスコアが高い顧客に対してはアップセル提案を行いやすくなるため、積極的に活用したいところです。

4. まとめ

ここでは、アップセルを成功させるためのポイントやツールについて解説してきました。アップセルを成功させるには「顧客行動の把握」「顧客状況変化の察知」「適切なアプローチ」を心掛ける必要があるでしょう。そのためには、顧客それぞれに指標を設定し、その変動を迅速に把握できる仕組みが必要です。アップセルの成功率を上げるため、ぜひカスタマーサクセスツールの導入を検討してみてください。

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