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2020年12月24日

カスタマーサクセスと営業との違いとは?スモールスタートするコツも解説

顧客の成功を目標とし、長期的に良好な関係を持続する活動や取り組みをカスタマーサクセスといいます。このような定義を聞くと、既存の営業活動と大きな違いはないのではないかと考える方もいると思います。しかし、カスタマーサクセスはこれまでの営業スタイルとは異なる姿勢を必要とします。
この記事では、カスタマーサクセスの重要性や営業活動との違い、カスタマーサクセスをスモールスタートするコツを解説します。

1. カスタマーサクセスとは?サブスクリプション型サービスにおける重要性

カスタマーサクセスとは、顧客の成功体験を導くことで顧客と自社の双方に利益をもたらすという考え方・活動を指します。特に、サブスクリプション型のサービスでは、以下の理由からカスタマーサクセスが不可欠であると考えられています。

解約率を低減させることが非常に重要なため

サブスクリプション型のサービスでは、新規顧客獲得よりも既存顧客の解約率を低減することの方が重要とされています。このサービスでは月間利用料を低く設定しているケースが多く、継続利用されなければ十分な利益が発生しないためです。
また、システム構築費などの初期費用を低く抑えている場合や、全く不要としているケースも少なくありません。しかし、このように導入の障壁を下げることは別サービスへの乗り換えの障壁(スイッチングコスト)が低いことも意味しています。つまり、顧客内でのサービス利用が定着しなければ解約される確率が上がります。したがって、解約率の低減に取り組むことは、サブスクリプション型のサービスの成功に不可欠なのです。

従来の営業活動では限界があるため

従来の営業活動では、顧客の理解を深め、契約をしてもらうためにお客様の元へ足繁く通うことが良いとされてきた風潮があります。しかし、増加する既存顧客との関係性維持が求められるサブスクリプション型のサービスでは、これまでの営業活動のように全ての顧客と直接接触する機会を平等に作り出すことができません。したがって、従来の営業活動と異なるアプローチで顧客を支援する必要があるのです。

2. 営業活動とカスタマーサクセスの違いは?

次に、カスタマーサクセスの持つ役割について営業活動との共通点と相違点の観点から解説します。

営業活動とカスタマーサクセスの共通点

●顧客と良好な関係を築く

多くの営業担当者は、購入・契約後も顧客と良好な関係を築くことを目指します。継続的に友好的な関係性を保つことで、その後も発注をしてもらえたり、他のお客様を紹介してもらえたりするなどのメリットを得られることを理解しているためです。カスタマーサクセスにおいても、顧客と良好な関係を築くことは重要であるため、この点も共通しています。

●顧客の成功のために自社製品・サービスを活用してもらう

契約・購入前の営業活動では、ヒアリングを行い、顧客の課題が自社製品・サービスの活用によって解決することを提案します。したがって、自社製品・サービス利用によって顧客の成功に結び付けたいという意思と姿勢は、カスタマーサクセスと営業活動は共通しています。
ではどのような点で営業活動とカスタマーサクセスは異なるのでしょうか?
それぞれの特徴を整理しながら解説していきます。

営業活動の特徴

●受注が役割

取り扱う製品やサービスにもよりますが、営業メンバーが持つ目標値は新規契約獲得数や新規契約額であるケースが比較的多いでしょう。新規契約の獲得は簡単なことではありませんので、業務の大半が新規開拓の活動時間に充てられます。
また、契約・購入後のサポートはサポート部門が担当することが多いため、顧客から営業担当者への直接の問い合わせがない限りは、契約後には顧客と接することは少なくなるでしょう。

●目標達成のために無理な契約を行うことがある

本来、営業活動は顧客の成功のために自社製品・サービスを活用してもらうことを目的とします。その一方で、新規契約獲得数の目標を達成しようとするために、顧客の状況理解や、製品・サービスに対する顧客の理解が不十分な状態のまま、「顧客の成功」という観点から外れて強引に契約を獲得してしまうこともあります。

●一人ひとりの力量によって、成果が分かれる

成功のポイントが横展開されていても、基本的には営業スタイルは個々人によって異なります。顧客を訪問し、顔を合わせてコミュニケーションします。話が合う・合わない、気に入られる・気に入られないという感情的な側面も含めて、個人の個性や工夫が契約数という成果に表れます。したがって、営業成績の良いメンバーがいなくなると、売上が大きく落ち込むということが発生しがちです。

●データよりも自分の肌感覚を重視しがち

従来の営業活動では特に、顧客との直接的な対話を重視する傾向があります。これまでの顧客とのやり取りの経験から、どのような顧客に対して、どのような提案を行うと契約に結びつくかを肌感覚で理解しています。したがって、契約を結んだ顧客に対して、どの機能の活用度が高いのかといった契約後の利用データまで参照する担当者は少ないでしょう。

カスタマーサクセスの特徴

●顧客の契約維持を役割とし、目標値とする

カスタマーサクセスの最大の特徴は、顧客との契約維持を役割・目標とする点です。つまり、営業活動とカスタマーサクセスではそもそもの役割が異なります。
サブスクリプション型のサービスで収益を持続的に増加させるためには、既存顧客の利用維持率(リテンション率)が非常に重要です。したがって、多くのカスタマーサクセスチームは、チャーンレート(解約率)をKPIとして持ちます。

※チャーンレートについての詳細については、こちらの記事も参照してください。

●継続利用を重視するため、無理なアップセルやクロスセルは行わない

目標が契約維持である以上、顧客が本当に必要としないプランやオプションの提案は行いません。アップセルやクロスセルは重要ですが、あくまでも顧客の課題解決や成功が最優先されます。

●誰が業務を行っても同じ成果が生まれやすい

カスタマーサクセスのプロセスは多くが定型化されています。例えば、優先的に対応すべき顧客を判断するための指標が明確化されており、かつシステムを活用してその指標を自動的に可視化しています。そして、指標にしたがってカスタマーサクセス担当者は定められたサポートを行います。つまり、誰が担当しても同じ成果が生まれやすいのです。

●データを活用して業務を行う

増加する既存顧客に対して効果的なアプローチを行うために、カスタマーサクセスでは積極的にデータを活用して業務を行います。例えば、どのような兆候があると解約率が高まる傾向にあるのかなどをデータで確認し、その兆候を示した顧客に対して迅速に対応を行います。

このように、営業活動とカスタマーサクセスは共通点がありながらも、明確に役割や目標値が異なります。したがって、どちらが優れているというものではなく、並行して取り組むべきものです。

3. カスタマーサクセスは専門組織が必要か?スモールスタートする方法

結論的には、カスタマーサクセスを専門的に扱う組織をつくることが望ましいでしょう。理由としては、カスタマーサクセスを遂行するにはこれまでの営業とまったく異なる視点が必要なこと、業務プロセスが異なることなどが挙げられます。

一方で、人手不足の中で専任チームを立ち上げることはハードルが高い場合もあります。そのような場合には、まずは営業チームから1名、カスタマーサポートから1名といった形でメンバーを集め、スモールスタートで成果を少しずつ積み上げていき、将来的に組織化する流れをとると良いでしょう。また、以下のポイントを取り入れると成果に直結します。

  • 既存の営業チーム、カスタマーサポートチームとは異なるKPIを設定する
  • 営業チームやカスタマーサポートチームと連携を行う
  • 活動の成果はデータで確認する
  • システムやツールを利用するなど、業務効率を高める

4. まとめ

この記事では、カスタマーサクセスの重要性や営業活動との違い、カスタマーサクセスをスモールスタートするコツなどを解説しました。
企業によっては、営業部門などの既存組織で既にカスタマーサクセスの取り組みが一部行われている場合もあるでしょう。しかし、中長期的な視点では、営業部門に新規契約獲得と解約率の減少を担わせることは、役割・業務プロセス・業務負荷の観点から困難なため、カスタマーサクセス専門の組織が必要となるでしょう。
しかし、いきなり新規組織を立ち上げることが困難な場合もあるため、まずは3章で解説したようなスモールスタートを検討することをお勧めします。

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