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2021年09月24日

ロイヤルカスタマーとは?優良顧客との違いやSaaSビジネスで育成する方法まで解説!

企業にとって、一度購入や契約をした顧客が自社のファンになり、長く使い続けてくれることは望ましい状態です。顧客の利用期間が利益に大きく影響するサブスクリプション型のサービスでは特に重要です。この記事では、ロイヤルカスタマーと呼ばれる、企業の利益向上において非常に重要な役割を持つ顧客について、その定義と育成方法を解説します。

1. ロイヤルカスタマーとは

ロイヤルティ(Loyalty)とは「忠誠」を表す英語で、このロイヤルティが高い顧客のことをロイヤルカスタマーと呼びます。つまり、ある企業や製品・サービスに対して信頼や愛着が強い顧客のことです。ロイヤルカスタマーは、他社への乗り換えを行わず、継続的に自社製品・サービスを利用してくれます。また、愛着度の高さから自発的に口コミを行い、周りの人にも製品やサービスを紹介してくれる、企業にとっては非常に重要な顧客です。

優良顧客とは何が違うのか?

ロイヤルカスタマーの定義を聞くと、「優良顧客」と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、優良顧客とロイヤルカスタマーは必ずしも一致しないため、注意が必要です。多くの企業では、優良顧客とは契約金額の高い顧客や継続利用期間の長い顧客のことを指します。しかし、自社製品・サービスへの愛着が強いとは限りません。解約するのが面倒であったり、他によいサービスを見つけられないため仕方なく利用していたりする可能性があるからです。このような顧客は、他社からより良い製品・サービスが出た、契約更新の年になったなど、きっかけさえあれば簡単に離反をしてしまいます。このように優良顧客は見せかけのロイヤルカスタマーであるおそれがあるため、本当に対応すべき顧客がどこにいるのかをある程度把握しておくためにも顧客ロイヤルティを測ることが重要です。

2. ロイヤルカスタマーはなぜ重要なのか?育成のメリットとは

顧客の継続利用率が高まる

製品やサービスへの愛着度が高ければ、継続契約率は高くなります。また、アップセルやクロスセルの成功確率が上がるため、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)も高くなります。これにより、安定的な売上の確保に繋がるでしょう。

事業存続のリスクを低減する

もし、ロイヤルカスタマーが育っておらず、見せかけのロイヤルカスタマーが多いと、どのようなことが起きるのでしょうか。例えば、他により良いサービスが見つけられないため、仕方なく利用している優良顧客がいるとしましょう。このような場合、競合他社が新サービスを提供して乗り換えキャンペーンなども実施すると、それがきっかけとなり、大量の顧客離反が発生する危険性があります。見せかけのロイヤルカスタマーは、それまで自社にもたらしてきた利益が大きいだけに、離反が事業存続を脅かす大きなリスクとなります。

真に好んで自社のサービスを利用してくれる顧客を育てることは、こういったリスクを低減することにつながります。

コストを抑えることができる

一般的に、既存顧客の維持コストは、新規顧客獲得のコストに比べて低いとされています。そのため、継続利用率の高い顧客を増やすことにより、コストを抑えつつ、継続的に得られる利益を高めることができます。また、コストを抑えることで、マーケティング費や開発費など新サービスを拡充させる費用を捻出することができるようにもなり、さらなる事業成長に繋がる可能性が広がります。

新規顧客を効率的に獲得できる

ロイヤルカスタマーのメリットは、自社製品・サービスの良い口コミを積極的に行ってくれることにもあります。実利用者による評価は、製品・サービスの選定の際に非常に重要な情報です。BtoBにおいては特に顕著で、DEMANDBACE社によると、売上の91%は口コミによる影響を受けているとされています。業務に用いる製品やサービスの選定ミスは、企業の売上に大きな影響をもたらします。そのため、IT管轄部門が厳しい選定を行う企業もあります。企業内の一部門で導入が成功すれば、他の部門での利用に繋がる可能性が高いでしょう。また、業種や職種によっては、業務の進め方や利用しているサービスについて情報交換がされる場合もあります。一人、もしくは一社のロイヤルカスタマーが、非常に大きな売上・利益をもたらしてくれることはめずらしくありません。

3. ロイヤルカスタマーを確認する一般的な指標

NPS®(Net Promoter Score)

顧客ロイヤルティを定量的に測る指標として一般的に用いられているのがNPS®です。NPS®は「この商品(サービス、企業、ブランド)を親しい友人や家族にどの程度勧めたいと思いますか」という質問に対して、0~10の11段階で評価してもらうものです。回答結果を元に顧客を以下の3つに分類し、回答者全体に対する推奨者の割合から批判者の割合を引いたものをスコアとします。

  • 批判者:0~6
  • 中立者:7~8
  • 推奨者:9~10

LTV(Life Time Value)

LTVとは、顧客が契約を開始してから終了するまでの期間中にどれだけ売上をもたらしてくれるかを指します(利益で計算する場合もあります)。LTVが高いことは、必ずしもロイヤルカスタマーであることを意味しませんが、顧客ロイヤルティが高ければ、LTVは高くなるという関連性はあります。そのため、他の指標や情報と共に確認することで、ロイヤルカスタマー育成に重要な顧客のセグメント化に用いることができます。たとえば、NPS®とかけあわせることで、最重要のロイヤルカスタマー、ロイヤルカスタマー候補などを見極め、対応の優先順位づけに役立てられます。

4. ロイヤルカスタマーの育成方法

顧客ロイヤルティを継続的に測定する

顧客の利用金額や継続利用期間などの一部だけの情報を参照するのではなく、NPS®などを利用して、定期的かつ正確にロイヤルティを測定する仕組みを作りましょう。

自社が提供する価値と顧客が求める価値を明確化する

顧客理解を深め、顧客が求める価値とそれに対して自社が提供できる価値を明確化することが重要です。顧客にとって、自社のビジネスや目的を深く理解してくれる企業は、信頼のおける企業とみなされます。SaaSビジネスにおいては、サービス利用の定着化のためにオンボーディングを実施するため、成功に向けて顧客理解を早期に深めておくことが重要です。カスタマーサクセスを実施し、オンボーディングの成功率を高めてください。

カスタマーサクセスを実施し、顧客との接触機会を適切に増やす

顧客が求める価値を明確化した後は、顧客との接触機会を増やし、継続的なコミュニケーションを取ることが重要です。必要なサポートや情報を継続的に提供することは、顧客の成功体験に繋がるためです。成功体験を得ることができれば、顧客の自社への信頼はより強固ななものになります。ただし、顧客が必要としない情報を大量に送りつけたり、不要なサポートを行ったりすることは逆効果です。カスタマーサクセスツールを活用しながら、顧客が今何を必要としているかを見極め、プロアクティブなサポートを実施しましょう。

企業全体でCX/UXの改善に継続的に取り組む

自社サービスを快適に利用してもらうためには、CX(Customer Experience:顧客体験)/UX(User Experience:ユーザー体験)の改善を継続的に行うことも求められます。サービスを利用するプロセスやサービス自体の満足度が低ければ、顧客に愛着を持ってもらうことができません。なお、CXの向上は、一部の部門だけでは十分に行うことができません。企業全体で理解し、取り組みを行ってください。CXについては以下の記事でも詳しく解説しています。

5. まとめ

ビジネスを継続的に成長させるためには、真のロイヤルカスタマーの育成が重要です。ロイヤルカスタマーと優良顧客は混同されがちですが、誤った解釈はビジネス成功の妨げになりかねません。まずは正しく理解した上で、顧客ロイヤルティを測定して高められるようにしましょう。ロイヤルカスタマーを育成するには、顧客理解を深め、顧客との接触機会を増やすことが鍵となります。そのためにも、ぜひカスタマーサクセスの実施を検討してみてください。

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