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カスタマーサクセスの具体的なプロセスとその実践方法を解説

カスタマーサクセスは、サービスの継続率や顧客満足度の向上に寄与する取り組みとして、近年注目を集めている活動です。その一方で、比較的新しい概念のため、カスタマーサクセスのあるべきプロセスが見えず、取り組みを加速できないという課題を抱えている企業も多いようです。

本記事では、カスタマーサクセスを実現するための具体的なプロセスに焦点をあて、その実践方法についても解説します。

1.カスタマーサクセスの具体的な業務プロセス

はじめにカスタマーサクセスの業務プロセスについて、具体的な流れを整理していきます。

プロセス1.顧客像の整理・サクセスの定義

カスタマーサクセスを実現するためには顧客を深く理解することが重要です。顧客像を整理し、顧客が求めるサクセスの定義を具体的に描くことがカスタマーサクセス実現の第一歩になります。

カスタマーサクセス活動は、大きく以下のフェーズに分けられます。

  • オンボーディング(導入支援・立ち上げ)
  • アダプション(定着支援)
  • リテンション(顧客維持)
  • アップセル・クロスセル

各フェーズにおいてお客さまをどのように整理するかを決めていきます。例えばハイタッチ、テックタッチの区分をどう分けるか、また、「顧客が“サクセスされている”とはどういう状態を指すのか?」といった活動において目指すべきサクセスの定義などがこれにあたります。

プロセス2.カスタマージャーニーの策定

顧客像の整理と自社が目指したいサクセスの形がある程度見えてきたら、次は自社にある顧客関連のデータ整理を行いつつ、顧客の行動の整理、いわゆるカスタマージャーニーを策定します。

ここでは顧客が起こす行動のプロセスを整理していきながら、顧客がどのようなアクションを取っているのか、そして目指すべきサクセスのために自分たちがどういったデータを入手する必要があるのかを紐解いていきます。カスタマージャーニーを策定する際は、すでに手元にある顧客データも照らし合わせながら、行動に関する仮説を立てて進めると良いでしょう。

プロセス3.サクセスのためのアプローチの洗い出し

カスタマージャーニーを策定していく中で、各プロセスにおける改善点を洗い出し、カスタマーサクセス実現のためのアクションに落とし込んでいきます。改善に必要な動きが見えてくると、カスタマーサクセスに必要なアプローチが何かわかるので、より具体的な行動や施策を実施することができるでしょう。

プロセス4.施策の実行

いよいよ具体的に策定した施策を実行に移していきます。実行に移すことで、顧客像の整理ができているか、カスタマージャーニーが適切に策定されているか、課題が明確に洗い出せているかが見えてきます。

実際にはこれらを一度で完璧にできていることは少ないため、具体的な業務を進めながら答え合わせを行い、さらなる改善点をチェックしていきます。

プロセス5.フィードバック

最後は効果検証のためのフィードバックを行います。これら一連のプロセスは最後まで行い、施策の実行が終わったのちにプロセス全体の評価を行います。

実際の業務プロセスでは顧客像の整理・サクセスの定義からはじまり、2〜5のプロセスについてPDCAのサイクルを回しながら顧客の状態に合わせて改善していきます。

2.カスタマーサクセスのプロセスを効果的に進める上で気をつけるべき4つのポイント

カスタマーサクセスの業務プロセスを効果的に進めるためには、下記のポイントにも注意を払いながら一つひとつ着実に実行していくことを意識すると良いでしょう。

ポイント1:KPIがタイムリーに可視化できるように情報を整理する

どのようなKPIを設定するか、また、どのような形でそのKPIを可視化するか(可視化の方法・頻度・注目すべき値の選定)が非常に重要です。BtoBの場合はKPIを設定する上で顧客の理解、顧客の声を踏まえてKPIの設定を進めていきましょう。

また、定量的な情報を活用することはとても重要ですが、それと同時に実際にカスタマーサクセスを実現する上で顧客の思いや要望といった定性的な情報にしっかりと耳を傾けることも大切です。

ポイント2:カスタマーサクセス活動に必要なデータを様々な角度から見つける

また、カスタマーサクセス活動に必要なデータを様々な角度から見つけていくこともポイントです。データを積極的に活用することは重要ですが、さらに一歩踏み込み、どのようなデータが必要か、なぜそのデータが必要なのかという部分を詰めていくと良いでしょう。顧客の基本情報だけでなく、利用状況やサポート履歴・アンケート結果などが役立つでしょう。

ポイント3:スモールスタートし、走りながら改善していく

初期の業務設計が終わり、具体的なKPIやアクションを実際の業務プロセスに落とし込んだのちにそれらを実行していく過程で、そのプロセスやKPIを見直すべきタイミングが必ず発生します。目標設定を細かく行うことは重要である一方、実際に運用を始めると想定と異なる結果が生じることも当然あるためです。
したがって、まずは失敗を前提とし、小規模に業務を開始してみて、走りながら改善していく心持ちも重要です。

カスタマーサクセスは一朝一夕に成るものではありません。最初から大きなゴールを描き、目標を細かく設定して完璧な実行を目指すのではなく、まずは地に足のついた現実的な目標を一つ一つクリアしていきましょう。

具体例には、ログイン回数の目標設定や、問い合わせ件数などKPIをできるだけシンプルに設定することから始めましょう。そして、業務を実行する際は一つひとつのプロセスにこだわりすぎず、スピードを意識してすぐに次のアクションに移せるようにしましょう。設定したKPIは適切でなければ後で変更すれば良いというくらいの心持ちで、まずはカスタマーサクセス活動の一連のプロセスを回してみることが大切です。

ポイント4:最終的には担当者とマネージャーで業務を回す

KPIの可視化・データの初期設定・実務の運用に応じKPIを調整していきながら、現場担当者が活動の内容・成果をマネージャーに報告しフィードバックをもらうプロセスを回していきましょう。後はマネージャーが現場担当者の運用を評価・客観的な観点でアドバイスし、そのフィードバックの中で発生するタスクを拾いながらカスタマーサクセスの実現に向けて進めていきます。

また、「カスタマーサクセスOps」の支援があると業務がさらに進めやすくなります。カスタマーサクセスではツールの利用状況やデータの蓄積を定点観測しつつ、不明点を解消し、改善点を見つけアクションをとっていくことが利用定着につながっていきます。

一方で内部のタスクに目を向けると、具体的な業務効率化や顧客データの精度向上など、煩雑かつ高度なデータの集計・分析が求められる場面も存在します。そういった観点から、システムやデータ周辺のことを詳しく理解しているカスタマーサクセスOpsがいるとさらにカスタマーサクセスのプロセスが回しやすくなるといえるでしょう。

カスタマーサクセスOpsは比較的新しく提唱され始めた役割ですが、カスタマーサクセス活動を効率的に進める上で非常に効果的です。カスタマーサクセスOpsの役割について理解を深めるためには、以下の記事も参考にしてください。

3.カスタマーサクセスの業務プロセスを効率化するためにはツール導入が不可欠

これまで具体的なカスタマーサクセス活動のプロセスや実践方法を解説してきました。カスタマーサクセス活動を円滑に行うためには顧客に関する様々なデータが必要です。加えて、KPIを設定したり、それらを定点観測したりと、何かと数字が関わる業務が多く発生します。したがって、カスタマーサクセスを効率よく、効果的に行うためにはツールやシステムの導入が欠かせません。

無論、顧客との日々のコミュニケーションや、データを分析するだけでなく付加価値を出すための提案を考えるといった、ツールによる自動化が難しいものについては手間をかけ、時間を費やす必要があるでしょう。しかし、それ以外の単純な繰り返し作業やKPIの可視化、定点観測したデータのレポート作成など、ツールを使って代替できるものは手作業で行わず、徹底的な効率化を図るべきです。

特にデータの記録・分析・参照のいずれを行う場合でも、顧客数が増えるごとに扱う顧客データ量も増加していくため、手作業でそれらを操作する状態にはいずれ限界がやってきます。実際にカスタマーサクセスの業務プロセスを細分化していったとき、最も時間を圧縮すべき業務はデータの収集や参照作業になるのではないでしょうか。

データの収集や分析は重要なプロセスですが、カスタマーサクセスの主たる業務は顧客の成功につながる活動です。今は優れたカスタマーサクセスツールが多数世に出ているため、自社にあったものをうまく選ぶことが重要です。。いくつかのツールを比較検討し、最適なツールを選び、カスタマーサクセス活動の運用補助に役立てましょう。

4.カスタマーサクセスツール選定のポイント

ポイント1:何をするツールか

自社にとってそのツールが業務効率化・データの可視化などにおいて不足している部分を補い、メリットをもたらしてくれるかどうかを見極めます

ポイント2:どのように使うのか

ITのバックグラウンドがない方でも使えるか、誰でも直感的に使いやすいUIかなど、誰が使うツールなのか想定して選定しましょう。そして、導入後にそのツールを使い続けられるかという観点についてもおさえておきましょう。導入して最初は使っていたものの、時間とともに使う人がいなくなってしまっては意味がありません。

ポイント3:どのようなデータを扱うか

顧客の基礎データや利用状況に関するデータは扱えるとして、アンケートやサポート、センチメントデータなど、その他どのような種類のデータを取り込んで集計・解析・可視化できるのかといった機能面のチェックも行いましょう。

ポイント4:わからない場合の解決方法

導入してから使い慣れるまで時間がかかるかもしれません。わからない場合の解決方法があるか、しっかりとオンボーディングしてもらえるかといったサポート品質もとても重要です。自分で調べられるFAQやマニュアルはもちろん、技術面で社内外の解決窓口を持ち、使い続けられる環境を整備することもポイントです。

詳しくは以下の資料も参考にしてください。

出典:「失敗しないためのカスタマーサクセスツール導入ガイド」

5.まとめ

本記事ではカスタマーサクセスの重要性について業務プロセス、実践方法の点から解説しました。カスタマーサクセスの実現の重要性は理解していても、具体的にどのポイントに焦点を当てアクションをとっていくかがイメージできたかと思います。

顧客像の理解やサクセスの定義から始まり、KPIの設定や業務プロセスの運用方法など、今回ご紹介した情報を自社に取り入れてみて、実際にカスタマーサクセス活動を始めてみましょう。

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