【徹底解説】カスタマーサクセスの実施ステップ 〜データとツールが成功の鍵〜

カスタマーサクセスへの取り組みを成功させ、ビジネスの拡大に繋げている企業の多くは、カスタマーサクセスツールを活用し、データに基づいた活動を行っています。
この記事では、カスタマーサクセスにおけるデータとツール活用の重要性に触れながら、カスタマーサクセスの実施ステップについて解説します。

1. カスタマーサクセスにおけるデータとツール活用の重要性とは

カスタマーサクセス実施のプロセスには、必ずデータ分析とその結果の活動への反映が含まれます。近年、ビジネスのあらゆる場面でデータの活用は進んでいますが、カスタマーサクセスにおいて特に重要である理由は何でしょうか。また、その際にツールを活用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
データとツール活用の重要性について詳しく解説します。

データで顧客の兆候を迅速に掴む必要がある

カスタマーサクセスで最も重要なのは、これまでのカスタマーサービスとは異なり、顧客に対してプロアクティブな対応を取ることです。顧客側からのアクションを待たずに、解約や逆にアップセルの機会をタイミング良く掴むには、データを参照するのが確実です。これは、顧客と普段からコミュニケーションが適切に取れている場合であっても同様です。
主観的な感覚だけに頼らず、客観的なデータを参照することで、より的確な判断と対応を取ることができるのです。

多くの顧客の状態を常に把握することは難しい

ビジネスのスタート当初、顧客の数が限られている状態では、直接のコミュニケーションで顧客の状態を把握することが可能です。しかし、顧客の数が多くなるほどすべての顧客の状態を把握することは難しくなるでしょう。

そこで役立つのが、さまざまな顧客データを一元管理することができるツールです。カスタマーサクセスツールには顧客の解約の兆候が出た場合にはアラートが出されるような機能も備わっていますので、複数の顧客に対しても効率的な対応が可能です。

解約率などの指標と相関性のある要因の特定が重要

解約率の低減は、多くの企業でカスタマーサクセスの目的として設定されています。しかし、原因として考えられる要素は複数あります。月額課金が基本であるサブスクリプション型のサービスにおいて、課題の真因を特定するのに時間がかかれば、それだけ解約のリスクが高くなってしまうでしょう。カスタマーサクセスツールを利用すれば、顧客の契約情報や過去の解約者のデータなどにより、さまざまな側面からより精度の高い分析が可能になります。

また、大量のデータを人の手だけで分析することは極めて難しいものです。人力の分析は、対応できる担当者が限られてしまったり、最初は対応できていても別の業務によって手が回らなくなったりすることもあります。
ツール利用による自動化は分析の業務負荷を下げるだけでなく、人的ミスの防止にも繋がります。

競争に勝つためにはサービスの改善が必要

多くの競合サービスがあふれる中、自社サービスを選び続けて貰うためには、常にサービスの改善に取り組むことが必要です。不具合の修正はもちろん、顧客が必要とする機能の追加や改善により、顧客の求めるサービスであり続けなくてはなりません。そのためには、顧客から直接寄せられる要望に応えるだけでは不十分です。
どのような機能の利用率が高いのか、どの機能を使っている顧客の満足度が高いのかといったデータを参照にすることで、力を入れるべき機能の優先順位をつけやすくなり、効率的なサービス開発ができます。

2. カスタマーサクセス実施の基本ステップ

次に、カスタマーサクセスを成功に導くための基本ステップを解説します。

ステップ1:カスタマーサクセスのゴールを明確にする

まずは、現状を把握した上で、カスタマーサクセスで目指すゴールを明確に定義しましょう。多くの企業では、解約率の低減アップセル率の増加などがゴールとして設定されます。活動を進める上では課題が変化していくのが通常ですので、成果を確認し、適宜ゴールを見直します。また、カスタマーサクセスツールを導入して業務を効率化する準備も併せて行いましょう

ステップ2:ゴール達成のためにデータを確認し、仮説を作成する

ゴールを明確にした後は、ゴール達成のために必要な項目とデータを洗い出し、複数の仮説を作成します。
たとえば解約率の低減が目的の場合は、解約した顧客のデータや継続利用している顧客のデータを参照し、契約から利用、解約までの流れの中でどこに解約の原因がありそうかを推測します。この作業はデータ分析の知見が必要なため、専門家がいない場合はツールの利用などを検討しましょう。
そして、なぜそれが解約に繋がるのか仮説を作成します。仮説の作成には、データ分析だけではなく、担当者の経験や感覚も重要となります

ステップ3:仮説からアクションプランを策定する

作成した仮説を元に、解約率を減少させるために必要なアクションプランを複数策定します。
たとえば、継続利用している顧客は、ある機能の利用率が高かったため、その機能の利用率を高めることができれば解約を防ぐことができる、と考えたとしましょう。そのために効果的なアクションとして、その機能を含めた活用方法のセミナーを行う、動画を作成する、といったプランを立てることです。
また、カスタマーサクセスツールでは、解約のリスクが高くなっている顧客に対してフラグを立てることが可能です。そのため、解約のリスクが高い顧客に対して即座にアクションを取ることが可能になります。

ステップ4:アクション結果を確認し、仮説を検証する

重要なのはアクションの実行とその後の結果の確認です。上であげた例では、活用方法のセミナーを何回行い、何社の企業が参加したのか、その結果機能の利用率が高まっているのかを確認します。また、機能の利用率が高い企業は解約率が低いままであるのかも確認することが重要です。アクション結果を数値化することで、客観的に成果を確認できるようになります。

ステップ5:アクションプランの精度を高める

アクションプランの実行の結果、成果が出ている場合には継続的に実施し、同時に効率化が図れないかも検討します。成果に結びついていない場合には、仮説自体が間違っているのか、アクションプランの設定が誤っているのかを確認します。
たとえば、機能の利用率と解約率はやはり負の相関がありそうだが、実行したアクションプランでは機能の利用率を高めることができていない、などです。定期的なアクションプランの見直しにより、精度をより高めることができ、ゴール達成までのスピードが速まります。
複数のアクションに対して、数値化と解約率との関連性を確認することは手間がかかります。一部だけでもツールを利用して自動化しておくことで、対応の負荷を大きく下げることができるでしょう。

3. まとめ

カスタマーサクセスを成功させるには、成功企業が行ってきた定石を押さえることが重要です。カスタマーサクセスツールを利用することで、データを活用した活動が容易に行え、成果に大きく影響していくはずです。カスタマーサクセスの実施を検討する際には、ぜひカスタマーサクセスツールの導入と活用を検討してください。

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